都心部の街中を歩いていると、意外にコインパーキングが多いことに気づきます。
一昔前に比べて、駅前であったり、いわゆる一等地といわれる場所も、コインパーキングが一気に増えました。
ビルを建てたり、何らかの施設にしたほうが利益があがりそうな土地でも、コインパーキングが増えている理由は何故でしょう。
今回は街中にコインパーキングが多い理由について、解説致します。
目次
なぜこんなところにコインパーキングが?
駅前や繁華街、住宅が多い場所など「昔は、〇〇があった場所なのに・・・」という土地が、コインパーキングに変わっていることがあります。
実は、立地条件や周辺環境が良くても、コインパーキングとなっている土地は珍しくありません。
不動産投資として考えれば、一般的には駐車場よりも建物を作ったほうが、複数層からの賃料を得られるため、より利益が上がりやすいとされています。
そのような土地でもコインパーキング駐車場が増えている理由は、次のようなパターンを考えることができます。
「次の建築計画」を検討している期間である
通常、建物を作る際の「建築計画」は、事業計画、予算計画策定、建築の設計など、進行に長い時間がかかるものです。
建築費用に必要な初期投資はとても高価です。そのため、土地にどんな建物を作り、どう利益として回収していくか、初期費用をどう金融機関から調達するかなど、綿密な計画が欠かせません。
また時勢により建築費はかなり変動するものです。建築に関連する資材の価格、建築関連業者さんの人件費など、建築が多い時期には各費用も高騰します。そのため建設費用の変動を見定める期間が必要です。
こうした建築計画を検討している間、土地を放っておくのはもったいない、という理由で、一時的にコインパーキングとなっているパターンは多いものです。
元々、立地が良い土地であればあるほど、何もせず「土地を眠らせておく」ことは非常にロスとなるのです。
コインパーキングは初期投資が限りなく少なく始められ、なおかつ短期間で作り替えることができるので、建築計画を検討している間など、一時的な土地活用に最適なのです。
土地が更地になったものの次の計画までに課題がある
建物が古すぎて取り壊した、更地の土地を購入した、将来的に建築を考えているなど、現オーナーが次の計画を決めあぐねている状態である可能性もあります。
アパートやビルでも、建物を作って利益が出なかった場合、「売上が得られない立地」と評価され、土地を手放すことは非常に困難になります。コインパーキングは上物を建てないため、流動性が高く、いつでも土地を売ることができます。
また建物を作ることになっても、長期間の賃借人がおらず、すぐに更地にできるので、土地を完全に休ませておくことなく、活用ができるのです。
資金調達について問題
通常はその土地を担保にして、資金調達をするのが一般的ですが、市場の状況や、土地オーナーによっては融資が難しい場合があります。
まずはほとんど初期投資のかからないコインパーキングから始めて、後から建物を建てる場合もあります。
また資金調達=お金を借り入れることになりますので、単純に借入をしたくない、相続する人に借金をのこしたくない、との理由で駐車場としておく人もいらっしゃいます。
前述のように建物を作ると解体するまでもかなりの長期間・資金が必要になりますので、相続がある場合は、受け継いだ人に方針を決めてほしいという意思もあるようです。
土地オーナーの意向
収益の観点でいえば、建物をつくったほうが土地活用としては大きな利益が見込めるのですが、管理上の手間や責任が増えることも事実です。
建築中は近所の騒音被害、賃貸住宅を建てるのであれば入居者とのトラブルなど、駐車場よりも懸念点が増えることは多いです。その点、コインパーキングであれば、駐車場業者に管理を依頼できるので、より気軽にはじめられる土地活用とも言えます。
建物より、コインパーキング活用が最大の収益力がある土地活用の場合
さらに、最初は上記のような理由でコインパーキング駐車場にしていたところ、想定以上に利益をあげて、そのまま時間貸し駐車場・月極駐車場として継続することもあります。
特に、狭い土地や、うなぎの寝床と呼ばれるような建物には向かない土地、また周りに駐車場が少ない立地など、土地の形状や周辺状況によっては、建物を作るより、そこに出入りする駐車ニーズを狙ったほうが利益が出る場合があるのです。
以上のように、土地をコインパーキングにしておくには、様々な理由が考えられます。都心や一等地でも、コインパーキング駐車場にした方が、最大限の利益が得られることもあります。
具体的な土地のコインパーキング運用までの流れや、見積もり依頼、コインパーキング会社との交渉代理、他社の見積依頼など、駐車場経営にお困りのことがあれば、ぜひ我々にご相談ください。