「駐車場をオープンしたが経営がなかなか軌道に乗らない」「周辺からクレームがきてしまった」など、運営での失敗はもちろんですが、駐車場をオープンする以前にも、失敗しやすいポイントがあります。
今回は月極駐車場を時間貸し駐車場(コインパーキング)に変えて失敗したケースを、ご紹介致します。
月極駐車場を時間貸し駐車場(コインパーキング)に変えて失敗したAさんの話
Aさんは自分の土地で月極駐車場をしていましたが、あるコインパーキング業者から
「うちの会社に土地を貸し出して、コインパーキングにすれば、今の賃料の1.5倍を保証します」
と言われ、土地をコインパーキングに変更することにしました。
そして、コインパーキング業者と契約を交わし、月極駐車場の利用者に解約の通知・交渉をし、コインパーキング駐車をオープンさせました。
コインパーキングにしてからは、稼働に関係なく、コインパーキング業者から1.5倍の賃料が毎月得られ、管理の手間もかからず、喜んでいました。
しかし6カ月後、コインパーキング業者から「賃料を下げたい」という通知がありました。
提示された賃料は、従来の月極駐車場の時よりも低いものであるため、Aさんは「受け入れられない」と拒否しました。
するとコインパーキング業者からは「契約書に基づき、解約料を支払います」との申し出があり、最終的には契約自体を解約されてしまったのです。
コインパーキング業者が最初に想定していた稼働にならない場合、土地オーナーに対して賃料の引き下げ交渉をしてくることはよくあります。
くわしくはこちらの記事もご参照ください。
■過去記事:【トラブル相談】契約途中での賃料引き下げ交渉って・・
■過去記事:【元営業マンが語る】コインパーキング会社の賃下げ交渉の対処法
その後、他のコインパーキング業者に相談しても借り手がおらず、さらに元々の借り手であった月極の利用者も他の駐車場に乗り換えてしまったため、結局、何の売上も生み出さない「空き地」になってしまったのです。
これは、月極駐車場の利用者を全て追い出してコインパーキング駐車場にした後、コインパーキング業者が撤退してしまった、という失敗のケースになります。
こうした失敗を避けるためには?
月極駐車場からコインパーキングに転換し、賃料が上がることは珍しくありません。
しかし、このケースのように1社のコインパーキング業者と交渉を進めると、当初の見込みより稼働が増えなかった場合などに、交渉がしづらくなってしまいます。
コインパーキング駐車場として活用する際は、必ず複数のコインパーキング業者と交渉・見積もりをとるようにしましょう。
実際の進め方については、過去のこちらの記事もご覧ください。
■過去記事:土地を遊ばせない!コインパーキング業者と、有利な契約期間を交渉するために知っておくべき基礎知識
■過去記事:【プロの交渉術】コインパーキングの営業マンから「相見積もり」について聞かれた時のベストな対処法
■過去記事:【駐車場経営失敗するポイント】コインパーキングの相見積もりについて注意
コインパーキング業者の選び方、言い出しにくい業者との交渉など、土地活用や駐車場経営についてお悩みであれば、駐車場経営のプロである我々にご相談ください。