コインパーキング、値下げ交渉の裏側とその対処法コインパーキング経営を業者に任せると、当初の見積もりに応じた、固定額の賃料が得られます。
しかし、いざコインパーキング運営してみると「想定ほどの稼働がない」ということも、残念ながらない話ではありません。
 
コインパーキング会社は、様々な手法で改善を試みますが、それでも稼働が良くならない場合、最終的には土地オーナーさんとの『賃下げ交渉』をする場合があります。
 
土地オーナーさんにとって『賃下げ交渉』はできれば避けたい、嫌なものですよね。
しかし、それは土地オーナーさんと会社との間を取り持つ営業マンも同じ気持ちです。
 
コインパーキング会社の営業マンとして働いてきたスタッフ曰く、値下げの交渉に行くことは「仕事の中で、一番心理的に辛いこと」だそうです。
 
今回はいつもとは少し違う角度から、実際の経験と実話を元に営業マンの心理状態から探る、コインパーキング会社の賃下げ交渉の対処法を解説致します。
 

賃下げ交渉に向かう、営業マンの気持ち・・・

まずコインパーキング会社の営業マンは、契約者である土地オーナーに対して、ポジティブな気持ちを持っています。
自分が結んだ契約が、オーナーさんの利益になり「土地の有効活用になった」というお言葉を頂けると本当に有り難いものです。また信頼関係を築くことで、オーナーさんから別の土地をご紹介いただき、次の契約にも繋がる事もあります。
 
しかし、思うように駐車場の稼働率が上がらなかった場合、まず所属元である会社から指示があります。
「今の状態では、この駐車場からの売上はあがらず、赤字になっている。」「いろいろと手を尽くしてもどうにもならない。」と、上司から言われ、最終的には「賃料の値下げの交渉」に行かざるを得ないのです。
これは営業マンにとって、辛いことです。
 
せっかく信頼関係を築き、契約に至った土地オーナーさんに対して、「そんなこと言えない」「自分の言葉がウソになってしまう」「しかしこのままではなんの成果もあがらない・・・」という後ろめたい気持ちになる。
これがコインパーキング会社で働く多くの営業マンの、正直な気持ちなのです。
 

心理状態を踏まえた上で、「値下げ交渉」にどう対応するか

対処1.なるべく契約を担当していた営業マンと直接話す

コインパーキング会社からの賃下げ交渉には、大きく分けると2つのパターンがあります。
・契約を担当した営業マンが交渉に来る
・運営部門として、別の担当者が来る
 
心理状態を理解すれば、元の担当者である営業マンが土地オーナーさんの元へ来ないことも納得できます。
しかし、交渉の際には、契約をした営業マンの立ち合いを求めるようにしましょう。
契約を担当した営業マンは、申し訳ないという気持ちを持っているはずですから、オーナーさんと会社の間をうまく取り持ってくれる傾向があります。
オーナーさんの気持ちを営業マンによく伝えるようにしましょう。
ただし、既に退職していたり、遠い地方の部署に転勤していることもありますので、過度な期待は禁物です。
 

対処2.「すぐには受け入れられない」という意思を明確に示す

いざ「賃下げ交渉」という時に、コインパーキング会社側の意見を聞き「そうなんですね」と受け入れてしまうと、強気に交渉を進められてしまいます。
そうならないためには、まず契約時に聞いていた話と違う、ということを明確に示しましょう。
 
実際のコインパーキングの現場で働いてきた経験としても、土地オーナーさんに値下げ交渉の旨を伝えた時、クレームではなく「えー?」「途中で値下げなんてあるんですか!?」と驚かれる事がありました。
 
そんな時「オーナーさんが、そう思うのも当然。どう説明したらよいだろう・・・」と悩んだものです。
契約書の内容にもよりますが、契約時の話と違うと思うことは、きちんと問うようにしましょう。
 

対処3.あえて「少しだけ」ならば、賃下げを了承する

コインパーキング会社の営業マンにとって、賃下げ交渉はかなり難易度の高い仕事です。
希望通りの値下げが出来ずとも、ある程度だけでも土地オーナーさんの妥協点が見いだせれば、会社側からもまずまずの評価をされるのです。
 
『全く値下げに応じない』という事も可能ですが、契約期間が終わり次第、その会社も次回更新はしない事でしょう。
コインパーキングとして引き続き運営したい場合、次の土地活用が決まっていない場合は「あえて少しだけの値下げを了承する」のも一つの手なのです。
 
またこれはコインパーキング会社の裏事情ですが、営業マンは側も、ある程度は値下げ交渉の幅、バッファをもって交渉に臨んでいることがほとんどです。
全額の値下げ額が15万円だとしたら「全額は無理だが、5万円なら」と少しだけ値下げに応じ、営業マンに実績をもたせることで、次の契約や交渉をスムーズに進めることも可能です。
 

対処4.別のコインパーキング会社の見積を取得、乗換を検討

私たちの一括見積もりサービスを宣伝しているようにも思えてしまいますが・・・、やはり他社の見積もりがある事は、大きな武器の一つになります。
赤字や稼働率の程度にもよりますが、やはり営業マンとして、同じ土地が別のコインパーキング会社のブランドになってしまう事は、避けたい事態です。
 
「賃下げ交渉」をしてきたという事は、『当初の見積ほどの売上は出ない土地』とみなされているので、そこまで良い評価はされず、見積もり額も契約当初より高くはないかもしれません。
 
しかし、周囲の競合状況や、コインパーキング会社ごとの見積観点の違いにより、賃料に大きな幅が出る事も事実です。現在の賃料や条件より良い見積もりがあれば、ケースによっては、乗り換えてしまう事も上手い駐車場経営の方法です。


賃下げ交渉は、土地オーナーさんにとっても、営業マンにとっても辛いシーンです。
駐車場経営の経験がないと、契約中の会社の言う通りにするものだと思ってしまいがちですが、交渉できるポイントはいくつもあります。
契約書の内容をよく確認するとともに、値下げ交渉に対しても明確な意思を伝えましょう。
 
コインパーキング会社との交渉代理や、他社の見積依頼など、駐車場経営にお困りのことがあれば、ぜひ我々にもご相談ください。
 
賃料交渉については、こちらの記事も参考にして下さい。
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