契約の切れ目、契約期間が終了するタイミングは、契約内容を見直す良い機会となります。もしかしたら、賃料がアップするチャンスかもしれません。『今更、業者と交渉するのは面倒だな』なんて自動更新をしてしまうと、収入がアップする機会をみすみす逃してしまう、なんてことになりかねません。
契約が一旦終了するこのタイミングは、条件や契約先を変更しても、違約金が発生しないタイミングでもあります。契約を継続した方が得なのか、別のコインパーキング業者に変更をするのか。きちんと見極めて、駐車場収入のアップを狙いましょう。
今回はコインパーキング業者の契約を乗せ換える際の交渉術について、解説致します。
目次
契約期間満了後に自動更新されたのならば利益がでている
契約期間満了後に、駐車場業者側から賃料の値下げ交渉などの話し合い機会がなかった場合、利益があがっていると考えていいでしょう。
なぜならば、コインパーキング業者は、赤字などの売り上げ状況が厳しい場合、契約期間というのを境にして、賃下げ交渉などを入れてくるケースが多い傾向にあるからです。
よって、コインパーキング業者側から交渉の連絡等がないとき、また、自動更新を薦められたときは駐車場で利益がでていると考えることができます。
利益が出ているわけですから、他の業者も、その土地に目を向ける可能性が大いにあります。より有利な条件で契約をすることができれば、収入のアップにも繋がります。
では、このような状況のとき、どのような交渉をすれば、最も駐車場収入をあげるのに効果的なのか。ひとつずつ解説をしていきます。
ステップ1.まずは契約終了6か月前からの準備。他社の見積取得を
賃料値上げを目指す場合、必ずすべきなのは現在契約しているコインパーキング会社以外の見積もりを取得するということです。
ほとんどの契約は、契約満了3か月前に解約の意思を示す、という条項があります。もし他社のほうが条件や賃料が良い場合、現契約を終了する可能性もあるので、契約満了の前の交渉期間にも余裕があるタイミングで準備を始めましょう。
ただし、契約内に「他社に契約を乗り換える、違約金が発生する」という条項がある場合があります。これは他社への乗せ換えによる解約はペナルティとしての違約金が出るという事なので、一旦は現契約を期間満了で終了し、「解約合意書」をもらいましょう。解約が完了した後に、他社に乗り換えれば契約期間中の乗り換えには当たらないので違約金を避けることができます。ただし、契約条項はそれぞれ複雑で個別に違うケースもあるため、不明な場合は我々 駐車場経営.jp にご相談ください。
そして他社の見積が現契約より良い賃料の場合は、現契約の賃料を引き上げる交渉が可能です。この後のステップ2などを参考に、現業者との契約交渉をしてみましょう。
もし他社の見積が現契約より安い賃料の場合は、賃料の引き上げも見込めないため、現契約をいまの価格で継続できるよう交渉していくことが優先されるでしょう。あえてこちらから契約交渉はせず、そのまま自動更新期間を迎えるのを待つか、もし賃下げ交渉があった場合でも、他社の見積があれば、比較して必要以上に値下げされていないかの確認ができます。
また他社の見積と現契約の賃料がほぼ同じという場合は、賃料値上げは出来ないものの、前述の「他社に契約を乗り換える場合は、違約金が発生する」という条件を取り下げてもらうなど、賃料以外の契約内容を有利なものに変えるという交渉は可能です。
ステップ2.現業者との契約交渉を始める
他社の見積が出そろい、現契約より良い賃料が示された場合、今のコインパーキング会社と賃料を交渉したい旨を伝えましょう。別の業者と一から関係を結ぶよりも、いまの業者と交渉をする方が、有利な条件になる事もあります。
賃料の交渉を伝えた場合、現時点で契約しているコインパーキング業者から「むしろ賃料を下げてほしい」といわれるかもしれません。その場合は売り上げを開示してほしいという事を伝えましょう。
しかし、すべての業者が言われたままに売上の開示を行うわけではありません。むしろ多くのコインパーキング会社は『売り上げの開示はできません』と拒否することが多いでしょう。
それは利益がでているから売り上げ開示をしたくないという可能性があります・・。
業者が売り上げの開示をしない場合は、他の業者から見積もりをとる、という意思を示します。また、それらしい表を作って、売上を小さく見せることもあるので、もし違和感があれば、むしろ良い条件を出してきた他社と新たに契約したほうが良いかもしれません。
この際、他社から見積もりを取得していることやその金額など、具体的なことは業者に伝えないようにすることが大切です。日付や見積もりを請求した業者名などは告げず『売り上げの開示をしてくれないのなら、他のところに見積もりをとります』と、やんわり伝えます。
見積もりを他の会社に依頼すれば、依頼された業者は、どれぐらいの売り上げがあるのか、価格調査を行います。きちんとした売り上げを把握した上での適正賃料を提出してくれることでしょう。
ステップ3.他社の見積書を基に交渉を進める
現在のコインパーキングの売り上げ状況、他社の見積などを総合的に見たうえで、再度、現在契約している業者との交渉をしましょう。
例えば、現在契約しているA社との契約賃料が50万円で、別で依頼したB社の見積もり額が60万円だったとします。すでに他社に見積もりを取るという意思は伝えているので、現在の業者A社の担当に『B社が60万円なんだけれども、ここよりも賃料を高くできるのであれば、契約を継続します』といった、交渉を行います。
実際にコインパーキングを運営してきたA社と、あくまで周辺状況などをみてシミュレーション上で価格見積りをしているB社では、もちろんA社のほうがより正確な実態を把握しているはずです。
A社から賃料値上げがどうしても厳しいという話があれば、実際に駐車場の売り上げが賃料に見合っていないのかもしれません。その場合は、一旦A社との現契約を終了して、B社との契約を進めるようにしましょう。
コインパーキング会社にとっても、単純にその駐車場単体の賃料と売上で契約内容を判断しているのではなく、たとえ赤字に近くても地域に同系列の駐車場を多く開設したい、目立つ場所の駐車場であれば看板を掲げたいという事情があるかもしれません。
そういったコインパーキング業者個別の事情もあり、同じ駐車場でも賃料見積りが大きく変わったりします。常に最新の状況で、複数の見積もりを揃えておくことが大切です。
さらに賃料以外の部分でも、契約内容を有利なものにしていく交渉も可能です。前述の「他社に契約を乗り換える場合、違約金が発生する」という条項を消してもらったり、次回の他社との交渉がスムーズにいくように契約期間を短くしてもらうなど、より将来の売り上げが最大化する契約内容で交渉を進めてみてください。
まとめ
1.契約満了の6か月前から他社の見積を集める
2.賃料上昇が見込める場合は、現契約の内容や稼働状況を確認
3.他社の見積もりを基に交渉を進める
交渉の末に、有利な条件のコインパーキング業者に契約変更をすることで、駐車場収入をアップさせることができます。契約書をよく確認し、内容変更や解約の際の条件、契約が切れるタイミングを忘れないようにしましょう。
大原則として、契約期間の途中、終了間際、どのタイミングでも他社見積もりがあれば、より有利に賃上げ交渉が進めることができます。コインパーキング会社との交渉代理や、他社の見積依頼など、駐車場経営にお困りのことがあれば、まずは我々 駐車場経営.jp にご相談ください。