しかし、高齢化社会に伴い、近年、相続をするときに親族間でトラブルになってしまうケースが増えてきています。駐車場に限らず土地・不動産を相続する場合、親族間での話をまとめるのは大変難しいもの。身内同士で言い争いをすることは、できれば避けたいと思いますよね。
今回は、「土地の相続」でもめないためのトラブル対策を、解説致します。
目次
相続トラブルに発展しやすいケースとは
相続人が複数人いる場合、ひとつの土地・不動産を、そのまま複数人に共有をさせて相続させることがあります。
しかし、この相続方法は、後のトラブルの種となってしまうケースが多いのです。
直接、相続をした当人同士が納得をしていても、その次の世代の相続、さらにそのあとの相続になっていくと、不動産の共有者がどんどん増えていくことになるからです。
土地の活用というのは、基本的に、所有権をもっているすべての方の意見を元に決めなければいけません。
そのため、土地を活用したくても、すべての方の意見がそろわない限り、いつまでも活用ができなくなってしまいます。
活用できなければ、どんな立地でも持ち腐れになってしまいますよね。
こうしたトラブルを避けるために、土地の相続については、はっきりと誰か1名に『この土地は、この者に相続をさせる』と決めた方が良いといわれます。
では、相続人をはっきりさせるために、どんなことをやっておくべきなのでしょうか。
相続トラブル対策1.遺言書を書く
相続に対しての最もメジャーな解決方法である遺言書ですが、やはりトラブルを避けられる大きな手段の一つです。ちなみに遺言書は「遺書」とは違うものです。
遺言書には、公正証書遺言と自筆証書遺言の2種類があります。
公正証書遺言とは、公証役場で公証人に作成してもらう遺言であり、確実に相続人を指定することができますが、少し手間がかかるのが難点です。
自筆証書遺言は、遺言者がその全文を自筆で書くものですが、きちんとした書き方をしなければ、法的に認められない恐れがあります。しかし、遺言書キットというものが2000円程度で販売されており、そうしたものを利用することで手軽にきちんとした遺言書を書くことができます。
気軽に書いておけるものなので、そこに相続人をはっきり書いておけば、トラブルを回避する手立てとなります。
相続トラブル対策2.相続する土地と同じ対価の現金を用意する
ひとりの相続人に不動産を渡してしまうと、その他の相続人が不満を抱くことになり、トラブルになりかねません。
そうしたトラブルを回避するためには、不動産を相続しない相続人に対し、同じ対価の現金を残すというのも一般的な方法となります。
現金を土地の代わりに渡すとき、遺言書で、『私の口座のこのお金はあの方に渡してください』と、指定することもできます。但し、これ以上に確実性があると言われ、多くの方が実践されているのが「生命保険」という形で渡す方法です。
相続で「生命保険」をうまく活用する方法
生命保険であれば、受取人を指定してお金を残すことができるため、確実に受け取ることができます。また、保険プランをうまく活用することにより、元金以上の現金を残せることも可能です。
実際の例で、約600万円弱の現金を元手に、1000万円の保険を組んだケースもあります。
うまく保険を活用することで、親族間のトラブルを回避し、かつ資産価値を落とさずに次世代へ相続させることができるのです。
すでに不動産を共有で相続をしてしまった方へ
すでに不動産を複数人お共有で相続をしてしまっている方は、自分の代で、所有者をはっきりさせるとよいでしょう。
どなたが1名が代表として土地を買い取り、ひとつの土地にまとめるようにすれば、トラブルになりにくくなります。
相続の話を提案するのは勇気のいることです。しかし、次の世代でさらに分割された土地になると、活用法が限られ、さらに土地の価値を落とすことにつながってしまいます。
もしお悩みであれば、保険会社や弁護士など、親族間の交渉をプロに一任するというのもトラブル回避のひとつの手といえるでしょう。
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