そして、この一括借り上げ契約の期間は、どの業者も2年から3年が基本となっていますが、今後の土地活用計画により、契約期間の変更を交渉する余地は十分にあります。
今回はコインパーキングの契約期間について解説致します。
契約期間は2年から3年が一般的
コインパーキング業者は基本的に、契約期間の中で、初期費用を回収しようと考えます。コインパーキング機器の設置費用など、オープンするためにかけた費用というのは、契約期間がどれだけの期間であろうと、変わりません。
つまり、契約期間が短ければ短いほど、投資を回収する期間が非常に短いので、短すぎる契約期間というのは、コインパーキング業者からすると、収益性がなくなってしまうことになるのです。
逆に土地オーナーさんの立場からすると、土地の買い手が見つかったり、また次の活用がすでに決まっている時は、なるべく契約を短期間にして、すぐに土地を利用できるようにしたいものです。もし任意の期間で土地のサブリース契約ができれば、次の土地活用の合間の「土地が遊んでいる状態」を避ける、都合よい活用方法も可能なのです。
コインパーキング業者との契約を短期間にするにはどんな条件や交渉が必要なのでしょう。
短期間の契約が可能なケースとは
繁華街や駐車場の需要が高く、売上げ見込めるエリアの場合は、短期間の契約ができる可能性が高くなります。
なぜなら、コインパーキング専用機器は、極端な話、1時間100円のところも、1時間1,000円のところも、かかる初期投資があまり変わらないものだからです。
例えば、都心部の一等地の場合、駐車料金を高く設定しても、売り上げが非常に多くとれるエリアになります。そのため、契約期間内に、初期にかけた投資分を回収できると見込まれ、短期間の契約が可能となります。特に売り上げが高い都心部、中心部であれば、数カ月~半年間ほどの短期契約が可能な場合もあるでしょう。
また必ずしも都心部でなくとも、近くに大型の建設工事が見込まれていたり(工事業者を始めとする関連の駐車場ニーズがある)、またコインパーキング会社として重点的に出店を考えているエリアでは、交渉が可能な場合があります。
まずは見積もりとともに、各コインパーキング業者に打診してみるとよいでしょう。
長期間の契約も可能
逆に長期間の契約を望む土地オーナーさんもいらっしゃいます。例えば、建物を建築する費用もなく、また売ることもできない土地の場合は、なるべく長くコインパーキングとして活用したいところです。ただし、長すぎる契約期間は、売り上げの相場が崩れるリスクや、賃料が不相応になるリスクがあるため、コインパーキング業者も避ける傾向にあります。
もし長い契約期間を望む場合は、取り扱うコインパーキング会社は限られますが、駐車場の上部に簡易な建物を建て、駐車場と建物として活用する方法もあります。こうしたケースの場合は、10年間などの長い契約期間が可能になります。
ただし、地上階はコインパーキングとなりますが、上層部はテナントを募集する建物となり、純粋なコインパーキングの土地一括借り上げ契約とはまた条件が異なってきます。
契約書をしっかり確認しよう
万が一、コインパーキング会社との契約満了前に別の土地計画を進めたい場合はどうすればよいでしょう。
言い出しづらい方もいらっしゃるかもしれませんが、実はこうしたケースは珍しくありません。契約期間内に、別の不動産計画を進めることになった場合は、途中解約も可能ですが、契約書で定められた違約金が発生します。
違約金については、賃料の数か月分であったり、業者が設備のためにかけた初期費用を契約の残存期間で割るケースもあります。いずれにしても、これらは契約時の契約書に明記されている内容ですので、充分に確認をするようにしましょう。
土地の一括借り上げ契約は、初期費用や手間もかからず、安定した賃料が見込めるのでとても有効な方法です。その反面、契約期間中はコインパーキング業者への貸し出した土地となり、勝手に売買や建物の建築をすることができません。
言い出しづらいコインパーキング会社との交渉代理や、他社の見積依頼など、駐車場経営にお困りのことがあれば、ぜひ我々にご相談ください。