コインパーキング業者の業務とはコインパーキング駐車場を始める際に、設備などを購入して自分で運営するよりも、専門のコインパーキング業者と契約したほうが、売上が出やすいということは、こちらの過去記事にてご説明しました。

【過去記事】コインパーキングは自営より業者委託が儲かる4つの理由

こちらの記事でも、コインパーキング運営の手間がかからないと書きました。しかし、世間では『駐車場は放置しておくだけで儲かる』というイメージや『コインパーキング業者に中抜きされるだけ無駄』という声もあります。

今回は契約後、土地を一括借り上げ(サブリース)契約してしまうと、なかなか把握しづらい、コインパーキング会社の業務を解説いたします。簡単にコインパーキング駐車場運営の『手間』と言っても、具体的にコインパーキング業者はどんな業務を代行しているのでしょう。

1.最重要かつ防犯のためにも大切な集金業務

集金業務は、最も売り上げに直結する日常業務です。
コインパーキング駐車場の精算機は、大きさの限度があり、あまり多額な現金を保管できる仕組みにはなっていません。
もちろんコインパーキング駐車場は無人ですので、防犯上の理由からも、現金を大量に貯められる構造にはしません。

そのため、こまめな集金業務が必要となります。
但しコインパーキングに関わらず、駐車場はその立地によって、大きく売り上げが変動するため、
時間当たりの単価が高く、1日で100万円を売り上げるような毎日の集金業務が必要な駐車場と、
1ヶ月で数万円程度という、定期的な集金で済む駐車場
とがあります。

安全かつスムーズな集金回収ができるよう、それぞれのコインパーキング駐車場に合わせた集金ペースを組むのも、コインパーキング業者の業務の一つです。

2.専門技術が必要な場合も。設備メンテナンス業務

コインパーキング駐車場には専用の機械設備がありますので、これの点検・メンテナンス業務も大切な仕事です。

特にパークロック式(フラップ板などで車を固定する方式)の場合、車が乗りあげることで何度も大きな荷重がかかります。また一部の機器では赤外線を使用しているので、こうした機械類の点検をして、時には油をさしたり、動作チェックをしたりして、機器が正常に動くかをメンテナンスする必要があるのです。

機器の一部が動作しないことで、お客様からのクレームや時には売上を損失する場合もあるので、機器メンテナンスもコインパーキング駐車場の経営において、重要な業務といえます。

3.放置すると稼働にも影響する駐車場の清掃業務

コインパーキング駐車場は、基本的には屋外にあるもの。放置していると思わぬゴミがたまることもあります。
経験上、特に多いのが『タバコの吸殻』もしくは『粗大ゴミの不法投棄』です。

駐車場全体を監視・清掃しながら、常にクリーンな環境として整備しておかないと、お客様の稼働への影響だけでなく、近隣のクレームにつながるケースもあります。

上記の集金や機器メンテナンスの際に、常に駐車場全体を見渡しておくことが大切です。

4.法知識や対応経験が問われる不正駐車の対応業務

不正駐車には、賃料を支払わずに出庫してしまったり、機器を破損させていくものなどがあり、こうした対応では監視カメラの映像確認をしたり、時には警察への相談も必要になります。
しかし不正駐車の中でも最も厄介なのは、『不法に長時間駐車している車』への対応です。

時々あるのが、『駐車をしたまま乗り捨ててしまう』というケース。特に都心などの駐車場台数が限られた狭小なコインパーキング駐車場でこの乗り捨てをされると、稼働台数に大きく影響してしまいます。

一般的に、コインパーキング駐車場の利用者への約款には「48時間以内の出庫」が明記されています。この48時間以上を超えると、長期違法駐車として、コインパーキング駐車場から強制的に出庫させる措置がとられます。
ただし違法駐車とはいえ、自動車の所有者の断りなしに、車のドアを勝手に開いて移動させる事も出来ません。これには法的な然るべき措置、専門的な手続きが必要になります。

この措置について、詳しくはまた別の記事にて解説する予定ですが、撤去する旨を一定期間告知した上で、専門の鍵開け業者、レッカー業者などに依頼して、自動車を撤去し、また別の場所へ保管することになります。

こうした不正駐車に対しては関連業者や、時には公的機関への対応協力も必要となりますので、法知識や何よりトラブルの対応経験が問われることになります。

5.お客様の緊急時やトラブル時のコールセンター業務

コインパーキング駐車場を運営していると、お客様から緊急の連絡が入ることがあります。
特に多いものは「機械などの故障で車が出庫できない」「6と9など数字を見間違えて、料金を払ってしまった」という問い合わせ、また「コインパーキング駐車場の利用料金」に関するクレーム問い合わせなどです。

無人のコイパーキング駐車場は、基本的には24時間営業となりますので、深夜や早朝にこうした問い合わせがくることがあります。
また、この中でも、パークロック式でフラップ板が下がらないなどの機器故障が原因になるものは、緊急対応としてその場へ行く必要があります。
対応の有無に限らず、いつでも電話がつながるコールセンターがあることで、お客様も安心してコインパーキング駐車場を利用できることでしょう。

コインパーキング管理業務だけを代行している業者もある

コインパーキング駐車場の運営には、上記のような業務が必要になりますが、それでもコインパーキング業者とは契約せず、自分で経営をしたいという方のために、コインパーキング運営/管理業務だけを代行している会社もあります。

上記のどの業務までを委託するか、また駐車場の場所がどこにあるか、などの条件で委託費用は変動しますが、どうしても自分でコインパーキング駐車場を運営したい場合は、こういったサービスを利用するのも一つです。

 

また上記以外にも、近隣の環境変化やライバル駐車場の出現による、周囲料金の調査や駐車場料金の変動設定などの売上最適化業務や、WEBサイト上や周辺施設との連携を含めた集客業務、看板や旗などの設置・メンテナンスなどの販促業務など、コインパーキング会社が行う業務は多岐にわたります。

世間では『駐車場は放置しておくだけで儲かる』というイメージもありますが、コインパーキング業者と契約することで、こうした業務の全てを任せ、賃料を受け取るだけになるが故のイメージかと思います。

そのため業者の中抜きを避けるため、自分でコインパーキング駐車場を経営したほうが良いという声もありますが、駐車場経営の経験者からすると、上記のようなこまめな運営業務が必要なので、決して駐車場経営は楽ではないのです・・・。

 

当サイト「駐車場経営.jp」の運営スタッフには、元大手コインパーキング企業の者や、コインパーキング駐車場の開設に関わってきた者もおります。
駐車場のプロとしてアドバイスさせて頂きますので、業者に委託する場合、ご自分で駐車場経営したい場合に関わらず、お困りごとがあれば遠慮なくお問い合わせ下さい。