料金のつけ方次第で、売り上げが半分になったり、倍以上に改善されたりします。
以前関わったコインパーキングでは、この料金設定を周囲の競合状況もみながら、細かく調整することで、売上が2~4倍とかなり改善したケースもありました。
コインパーキング会社に勤務し、その後も駐車場経営の関わってきた実績と、駐車場の経営相談を受けてきた経験を踏まえて、今回はコインパーキング駐車場の『収益をあげやすい料金設定』秘伝ノウハウをお教えいたします。
目次
ズバリ、これが最も売り上げが出るコインパーキングの料金設定
その1. 周辺の駐車場と比べ『上限料金(1日の最大料金)』は安い値段にする!
その2. 周辺の駐車場と比べ『時間単位』は長め&高い値段にする!
これが基本的なコインパーキング料金の『収益をあげやすい設定方法』です。
例えば、周辺のコインパーキング駐車場Aが「1日の最大料金は2000円、昼間の利用は20分100円」だとします。
この場合、自分の駐車場では「1日の最大料金を1800円、昼間の利用は30分200円」と設定しましょう。
もちろん、駐車場の収容台数や場所によって事情は変わりますが、ほとんどの駐車場の場合、これが一番収益を上げやすい駐車料金の設定方法です。
より詳しくそれぞれの方法について解説致します。
その1. 周辺の駐車場と比べ『上限料金(1日の最大料金)』は安い値段にする!
コインパーキングの利用者の中で、上限料金を気にかける人は、上限料金を払う気でいる人たちがほとんどなのです。
例えば、周辺で作業のある工事業者さんや、通勤のため一日中停めることになったサラリーマンなど、何らかの事情で長時間の駐車をせざるをえない方たちです。
それぞれの事情は様々ですが、長い時間駐車をするのであれば、なるべく安いところに停めたい、と考えるのは当然のことですよね。
このため、上限料金は低くつけた方が、集客力のアップにつながるのです。
ただし、極端に駐車場台数が少なく、かつ立地は駅の間近というケースでは、上限料金を設けない方が利益が出やすくなる傾向もあります。
駅に近い場所だと、多少料金が高くなっても、利便性を選ぶという方もいるのです。
目安として、収容台数が5台以上になった場合は、上限料金をつけた方がいいでしょう。
その2. 周辺の駐車場と比べ『時間単位』は長め&高い値段にする!
平日昼間に、短時間だけコインパーキングを利用する人のほとんどは、周囲に営業先・得意先のあるビジネスユーザーです。
ビジネスユーザーにとって駐車料金は交通費、すなわち会社の経費です。自分の生活費からの支払いではなく、後に会社から支給されるため、細かな料金の違いこだわらない利用者が多い傾向にあります。
もちろん同じ「20分単位」で料金が「100円」と「200円」なら、より安い方が選ばれるでしょう。
しかし、この基準の時間単位がバラバラだと、ビジネスユーザーは駐車料金を自分で支払わないため、100円の金額差をあまり気にしません。100円程度の差であれば、より近く、より利用しやすいコインパーキングを選ぶのです。
そのため、時間区切りは粗め(単位ごとの分数を多め)に、料金は高めにしておくと、売り上げが最大化することが多いのです。
また用事が済んでしまえば、次の要件・仕事があるため、残り時間が何分あっても惜しげもなくすぐに出庫していきます。
結果、平日昼間の利用が多いと「回転率の良いコインパーキング」になるのです。
時間区切りの決め方
参考として、単位あたりの分数、時間の区切りの設定についてより詳しく解説いたします。
基本的には上記のように、周辺のコインパーキングの最低利用単位が「20分刻み」であれば、こちらは「30分」や「40分刻み」に設定しておくとよいでしょう。短時間の駐車とはいえ、ある程度の時間の余裕があったほうが、利用しやすいという心理も働きます。
また、都心部の中心や東京の一等地では「16分」「25分」「35分」という、一見、1時間当りの料金を計算しづらい金額にするコインパーキングも多くなっております。
傾向として、利用者は1時間単位で駐車場料金を計算する傾向にあり、もし割り切れない数、1時間いくらが計算し辛い料金だと、多少の金額差は気にせず停めてしまう事があるのです。
短時間利用者が多い地域の回転性
例えば、周辺の料金が15分100円だとします。こちらは30分200円に設定しておきます。
すると、細かい料金を気にしないビジネスユーザーが15分利用したとき、前者は100円、後者は200円の売り上げとなり、これが積み重なると、売り上げの差が大きく出てくるのです。
さらに極端な話、15分100円の駐車場と、60分400円の駐車場で、10分しか利用しなかった場合の売上は、かなり大きな違いがでますよね。
このように、時間の刻みが粗いほど、早く出庫された場合の利益はあがるのですが、もちろん立地によって、回転率が高い短時間利用者が多いのか、それとも長期の利用者が多いのか、さらに細かい調整が必要になってきます。
まとめ
上限料金は周辺よりも安く、時間の区切りと料金は、周辺よりも長く高くする。
これがコインパーキング料金の、基本的な最適ルールです
もし、この料金設定でも売上が改善しない場合、立地的に看板が目立たないという「販促の問題」や、一方通行でその駐車場に入りづらい等「立地の問題」、ゴミや近隣建物との関係などの「管理上の問題」など、他の課題が潜んでいる可能性もあります。
もしコインパーキング運営や駐車場の経営についてお困りのことがあれば、ぜひ我々にご相談ください。