土地ナシから駐車場経営をはじめたい、と思ったときに、どの土地を購入するのかは、たいへん難しい選択になります。
人が集まり、駐車場の需要が見込める「都心部(各都市の中心エリア)」で始られれば良いですが、ひと口に「都心部」といっても、東京都内と地方都市とそれぞれ一長一短があります。
ネット上のウワサでは、『地方都市の土地を狙ったほうがいい』とも挙げられていますが、実際のところはどうなのでしょう。
今回は、地方都市の土地を購入して、駐車場経営をはじめるのは可能かについて、解説致します。
■地方都市は駐車場経営に向いている?
地方都市の土地は、東京都心部に比べると、安く購入することができます。
また多くの地方都市では、車がないと生活が不便になるため、駐車場の需要もとても高くなっています。
このような点で、地方都市の土地というのは駐車場にとって適しているように思われます。
しかし、それはあくまで地方都市の側面の一つに過ぎません。地方都市の土地が良い収益をあげるのは、短い期間だけに限られてしまう可能性があるのです。
地方都市の土地で、「長期間の駐車場経営」は難しい傾向にある
東京の都心部に比べ、地方都市は、建物を建てて利益を出す見込みが少ない傾向にあります。そのため、周りの土地も駐車場になる可能性が高いといえます。つまり、それは競合の駐車場が増える可能性が高い、ということなのです。
もし地方都市で、土地の購入当初は駐車場経営に成功しても、周囲の環境が変わる可能性があります。
その時点で周辺に駐車場が少なく、高い利回りの投資となっていても、5年後10年後に同じ利回りで駐車場経営を続けられる可能性は、東京都心部と比べると低くなってしまうでしょう。
駐車場の経営、コインパーキングの経営は特に、売り上げのブレ幅が大きいものです。隣に駐車場ができた等の、ほんの小さな要因で、相場が急に下がったり、上がったりします。
周辺環境の変わりやすさという点では地方都市での駐車場経営はリスクが高いといえるでしょう。
土地活用の方法が限られている
上記で解説したように、そもそも駐車場運営は、周囲の環境により需要が大きく変わり、アパートやマンション経営よりもリスクが高いものです。最悪の場合を想定して売却がしやすい土地が、理想的な土地であるといえます。
駐車場の経営が続けられなくなったときに、売却する、もしくはアパートやマンションなどに運用を変える、など、運用の転換ができればいいのですが、地方都市の土地となると、人口や需要自体も限られるため、そうした転用がし辛く土地活用の方法が限られていることが多いのです。
次の土地活用方法の選択肢が少ないという点でも、地方都市の土地はリスクが高い、といえます。
■地方都市の最大のリスクは「土地の価格が下がる」こと
地方によっては、どんどん人口が減っていき、地価が下がる地方都市もあります。
駐車場というものは、そもそもが更地です。一番のリスクは、土地そのものの価格が下がってしまうことであり、売却が難しくなれば、それはリスクとなるのです。
地方の土地は、数年の利回りを考えれば、初期費用も安く、たいへん魅力的に感じます。
しかし、人口の加減状況も踏まえ、リスクが高い地方都市であれば、プロとしてはオススメはできない、というのが本音です。
逆にいうと、中小規模の地方都市よりも、東京などの大都市/都心部であれば、周辺にいくつかの駐車場ができても、そもそもの需要が高いため利用者が減る可能性は少ないでしょう。またもし駐車場経営がうまくいかなくとも、別の土地活用への転用・売却先も探しやすくなります。更に、土地が値上がりする可能性もあります。
一概にどこまでが都市圏で、駐車場経営に適しているとも言えませんが、不動産活用のプロは、こうした長期にわたる活用方法・転用方法・利回りまでを見込んでいるのです。
不動産活用に際して、安易に「土地購入のための初期投資が安い」というだけで、地方都市の土地を購入するのはリスクも高いという事は押さえておくべき点です。
どんな土地を買ったらいいのか分からない、相続した土地を駐車場として活用したいなど、駐車場の経営や運営についてお困りのことがあれば、ぜひ我々にもご相談ください。
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