提出された見積り書を見比べただけで、すぐに契約を決めない方がよいかもしれません。
なぜなら、ここから更にもう一押し交渉を行うことで、より有利に契約ができる可能性があるのです
今回は、コインパーキングの見積もりが出揃った後、更に有利な契約にするための交渉術を、解説致します。
目次
見積もりを比較した後の、ちょっとした交渉ポイント
例として、A社が50万、B社が55万、C社が60万と、それぞれの見積もり書が出揃ったとします。
このとき、一番、高額な金額を出したC社に対し、改めて以下のように交渉を行ってみてください。
「あなたを営業マンとして気に入ったので、契約を決めたいのですが、他の会社の条件でも良い提案があり悩んでいるんです。あと一押し、賃料を見直していただければ決めたいんです。例えば65万円ではいかがでしょう。」
つまり具体的な金額を提示したうえで『あなたの会社に決めるから、もう少し金額をあげてくれないか』という交渉です。
他社より金額が高いという点で、間違いなくその会社も契約を決めたがっているはずです。そこで、最後の一押しが可能か、打診してみるのです。
・ポイント「交渉のときに具体的な金額を提示する」
具体的な金額を交渉中に提示することで、営業マンは「契約の決め手」をつかんだことになり、なんとか社内で決裁をとろうとする発想になります。
営業マン側からすれば『決裁さえとれれば契約をとれる』という状況です。
そのため、社内で決裁を通す際も、「地主さんがこの金額ならば絶対にうちと契約してくれると言ってくれています」とアピールすることができるため、手探り状態の契約交渉よりは、決裁が通りやすくなるのです。
もちろんここで無茶な金額を掲示しては、なかなかうまくいきません。
私たちの経験においていうと、アップ要求が可能な金額は、せいぜい元値の10%~5%ほどだと思います。
・ポイント「一番良い見積・提案を出した会社と交渉する」
また、こうした交渉は、多くの見積もりの中で、一番最初に、一番金額が良かった会社に対して、行うようにしましょう。
もしその会社の見積もり額と、最高の見積もり金額とのかい離が大きいと、難しい交渉となります。
先ほどの例でいいますと、55万を掲示したB社を相手に、65万のアップを求めると、10万もの差が出てしまいますよね。これでは、業者側もなかなか、うん、と言わない可能性が高いのです。
前述のとおり、見積もり書で一番高い金額を出してきた会社は、その土地の契約をとりたい、と、他の会社よりも強くアピールしていることになります。そのため、「絶対にあなたの会社に決めます」という言葉が有効でもあるのです。
また、同じような見積額の提案が出そろった場合は、それぞれに具体金額を出して交渉をしてみてもいいでしょう。
「この金額ならば、あなたの会社に即決します」と言ってみることで、もっと良い条件が掲示される可能性があります。
・ポイント「交渉できるのは、賃料だけではない」
賃料の交渉以外にも、条件面でのオプションをつけてもらう交渉も大切です。なぜならば、賃料よりも、比較的社内で容認される可能性が高いからです。
例えば、アスファルトの舗装費用を負担するという契約であれば、「やはり舗装費用を負担してくれないか」あるいは「半分負担してもらえないか」という交渉をしてもいいでしょう。
また、契約期間を、自分に都合のいい期間に変更してもらう交渉をしてもいいでしょう。さらに「○○カ月は、賃料の見直しはない」、という文言を契約書にいれてもらってもいいでしょう。
賃料アップがだめだとしても、そうした、契約条件の交渉ならば、変更できる余地があります。賃料の交渉がうまくいかなった場合、そうした方向に切り替えていくことも有効です。
複数社の見積もりは絶対にとるようにしよう
こうした交渉を行うために、まず大前提は複数社の見積もりをとることです。
様々な会社の見積もりを見比べることで、相場を知り、さらに「相場の少し上」の感覚も分かるようになります。これは、契約交渉を行う上で、大変重要な情報です。
ひとつひとつの交渉を、まずは一番良さそうなところからやってみる、というところがポイントであり、有利に契約するためには大切なことです。負い目を感じずに、まずは行ってみるようにしましょう。
また、「ここさえ良くなれば、必ずあなたのところ決める」という一言は、成果を欲する営業マンにとって、励みになります。契約をとりたい、と強く願う営業マンならば、社内でうまく調整してくれることでしょう。
コインパーキング会社との交渉代理や、他社の見積依頼など、駐車場経営にお困りのことがあれば、ぜひ我々にもご相談ください。