駐車場経営で知っておくべきノウハウ4選駐車場経営には興味があるけど「土地がない」「不動産投資は初めて」「どういう駐車場がいいのか分からない」という方は多いものです。
このサイトで頂くお問い合わせや、検索結果などを見ても、こうした言わば『駐車場経営の初心者』の方からの声が多くなったように感じます。
 
そこで今回は、数々の駐車場経営/開設に関わり当サイトきっての『駐車場のプロ中のプロ』が、これから駐車場経営を始めるにあたって知っておきたい、土地ナシ・不動産初心者必見「あまり知られていない駐車場経営に最適な土地4選」をお伝えします。

 

当然、「建物」の方が高い利回りを得やすいけど・・・

まず駐車場経営も土地活用の一つの形です。そのため、最終的には『利回り』が重要になってきます。つまり購入した土地の金額や運営にかかる費用に対して、どれだけのリターンを得られるかという、不動産投資の基本です。
この『利回り』だけを追及するのであれば、当然、土地の面積分を平面でしか活用できない駐車場よりも、土地の面積を2層、3層と多層で活用できる「建物」のほうが高い利回りを得やすいでしょう。
しかしながら、建物を作るにはそれなりの初期投資コストが必要で、なおかつ建物自体のメンテナンス、設備の交換、入居者との契約/管理人業務、入居への営業活動など、初期コストが膨大な上、一度、建ててしまうと手間が多く、さらに不動産物件としては流動性が低くなり、なかなか手放すことができないと、いくつもの大きなリスクを抱えることも確かです。

そのため「手軽に始められそう」、「駐車場代だけもらえばいい」というイメージから、より始めやすそうな駐車場経営が注目されます。これについては、我々、駐車場経営のプロから言わせると、決して楽な業務だけではない・・・という想いもありますが、それはこちらの記事に譲るとして、話を先に進めましょう・・・。
 
【過去記事】:コインパーキング会社の駐車場運営業務について
 
さて、ここで駐車場経営の基本である、初期投資と利回りに立ち返ると、『(建物には向かないため)価格が安く、(駐車場に最適なため)利回りが高い土地』を狙う事が大きなポイントとなります。
そんな都合の良い土地があるのか?という声も聞こえてきそうですが、実際に土地オーナー様との駐車場経営に携わってきた経験として、こうした土地・ケースに出会うことがあります。

 

ノウハウ1:駐車場経営をしたいなら、まず狙うべきは『うなぎの寝所』

まず周囲の立地やどんな場所かを抜きにして、単純に駐車場として理想な土地の形状は「うなぎの寝所」です。もちろん、川べりやヌルヌルした沼地という意味ではありません・・・。

これは、接道面積が広めで、なおかつ縦に細長いような、あまり建物には向かない形状の土地のことを指します。
 
こうした形状の土地は、奥行きがないため建物は作りづらく、住居や商業ビルとしての活用がしづらいため、土地の価格自体が安いケースが多いもの。しかし、無駄な車路がなく、定型の駐車スペースで区切ると自動車が並べやすいため、駐車場としてはとても台数効率が良い土地となるのです。
 
実際に、土地を細かく区切る繁華街などで、こんな形状の土地が売られることがあります。ビルやマンションを建てたい人にとってみれば、狭くて、細くて、住みづらい・居づらい土地なのですが、駐車場業者や駐車場経営の土地オーナーにとっては見逃せない土地なのです。

 

ノウハウ2:意外と知られていない穴場の土地「マンションの駐車場」

さて不動産投資の代表格ともいえるマンションですが、実は、最初は入居者用として作られた駐車場が、販売対象の土地として売りに出される事があります。
入居者に自動車を持っている人が少なく駐車場が稼働しない場合、また土地オーナー、マンションオーナーの様々な事情等により、そのまま売買対象の土地として販売される事があるのです。オーナーからしてみれば、誰も使わない駐車場の土地を放置して税金などを取られるよりも、余計な土地は売ってしまうほうが得なケースもあるのでしょう。
 
こうしたマンション/建物敷地内の駐車スペースは、新しく建物が建てづらいために土地代が安く、月極駐車場やコインパーキング駐車場として活用しやすい土地の一つです。入居者自体の利用を見込むこともできますし、入居者を訪ねる知人・友人が利用することもあるでしょう。いずれにしても最初から駐車場として運営されているので、初期コストが低く抑えられるのです。
 
但し、気を付けたいのは「入居者以外も利用しやすい印象」の場所かどうかです。
例えば、駐車場が建物と別にあるのではなく、マンション建物内の1階部分が駐車場になっているような場合は、知らないマンション内に入っていくので、入居者以外の人には使いづらくなるかもしれません。近場に、より停めやすい駐車場・コインパーキングがあれば、そちらに需要が流れてしまう事が考えられます。
また周囲に目立った商業施設や利用用途がない場合は、いくら土地代が安くても、駐車場自体が稼働せずに、なかなか売上が得づらいでしょう。駐車場経営を始める初期コストが安い分、稼働や売り上げがどうなるかを見極めることが重要です。

 

ノウハウ3:基本だけども見逃しがちな「繁華街・商業地の土地」

駐車場の稼働は、そこに自動車で来る利用者がいるから成り立つのであり、その土地の周辺に何があるかは、やはり大きな要因です。当然、繁華街や商業地は、その周辺に訪れる動機・理由が多くあり、駐車場としてもぜひ活用したい場所です。
 
普通に考えれば、土地代がそもそも高く、需要もありそうな場所は、なかなか入手しづらいため、気にしない人も多いものです。しかし、土地代が高いがために、周囲の土地オーナーが建物しか作らず、結果、その土地では数少ない貴重な駐車場スペースとなり、建物を作らずとも充分な利回りが得られた、というケースがありました。
もちろんその土地に、建物を建てたほうが当然、利回りは良いでしょう。しかし駐車場経営は、投資がかからず撤退しやすい、始めやすい土地活用の一つの方法です。不動産投資に慣れていないうちは、リスクの少ない駐車場として活用することも、一つの選択肢なのです。
 
ある土地オーナーさんのケースでいうと、周囲の建物・土地オーナーが撤退する時期を見越して、わざと建物を作らずに、駐車場として置いておくという方もいました。一度、建物を作ると壊すのも費用がかかり、手放しづらくもなるため、周囲の撤退後にその土地も購入して、より大きな面積の土地により大きな建物を作ろうという計画です・・・。ここまでくれば不動産投資のかなりの上級者ですね。

 

ノウハウ4:究極の始めやすさ「現況がコインパーキング駐車場の土地」

当サイトでは駐車場経営をメインに解説しておりますが、一般的な土地活用でいうと、駐車場活用はそれほどメジャーな方法ではありません。特に、土地オーナーさんは複数の土地を所有しており、駐車場として使っているはその中でもごく限られたケース、という場合も多いのです。
 
これも稀にですが、そうした土地オーナーさんが何等かの理由で土地を手放さないといけない時、建物がなく、土地単体として、より売りやすい(流動性の高い)駐車場物件から手放す、という事があります。
これは土地を駐車場として活用する一つのメリットですが、やはり用途が限られたり、老朽化も起こる「建物のある土地」より、アスファルト舗装以外は簡単な設備しかない「駐車場の土地」の方が、不動産としての手放しやすさ、流動性が圧倒的に高いのです。
 
こうなると駐車場自体の売上・稼働率というポイントとは別の理由で、「現況:駐車場」という土地が売りに出されます。
当然、中には稼働率が高い駐車場が出てくるケースもあります。その中でも特にオススメなのが、コインパーキング業者の看板でコインパーキング駐車場として活用されている土地です。
当サイトでも、何度も解説している、コインパーキング業者と契約して駐車場経営する場合と、自前でコインパーキングを開設する場合の比較ですが、このケースでも「コンパーキング業者と契約している」土地のほうがオススメです。
コインパーキング業者がその土地を借り上げたという事は、そのコインパーキング会社により、周囲の調査がされており、売上を見込んだ土地であるという証拠なのです。
 
とはいえ、前土地オーナーが、高い売上の駐車場をすぐに手放すのも考えづらいもの。もしかすると、コインパーキングとしての売上が全然伸びないがための売却かもしれません。この、どんな理由で土地を手放すのか、については不動産のプロによる調査が必要になりますので、なかなか難しい点かもしれません。
不動産投資を考えている土地があれば、まずコインパーキング駐車場として活用した場合の、賃料見積もりを取るのも一つの手です。

 

 

以上が、駐車場経営に携わってきた経験により遭遇した「あまり知られていない駐車場経営に最適な土地4選」です。
 
駐車場活用の場合、現況がどんな土地であるかに限らず、周囲や利用者の状況により収益性が大きく変わります。中には月極駐車場をコイパーキング駐車場にしてみたら、一気に収益が高くなった、というケースもありました
 
各コインパーキング会社では、見積もりと共に、その土地をコインパーキング駐車場に変えた場合の、収益シミュレーションを提出するところもあるので、その土地をどう活用すべきかの参考になるかもしれません。
不動産投資や土地活用の一つとして駐車場経営を考えている方は、ぜひ駐車場のプロである我々にもご相談頂ければ幸いです。コイパーキング業者の一括見積もぜひご活用ください。