土地オーナーさんに提示される賃料は、その場所でとれだけ売上を得られるかの想定を元に決められ、想定以上に売り上げを得られれば、コインパーキング業者にとっては優良な案件になりますし、賃料よりも売り上げが得られない場合は、契約終了の交渉をされる可能性があります。
契約条件によっても変わりますが、これが、基本的なコインパーキング業者のビジネスです。
このようなビジネスで、一体、時間貸し駐車場からどの程度の儲けを見込んで、土地オーナーさんには、どれほど還元されるのか、気になりますよね。
コインパーキング会社はどれくらいの利益率で賃料を提示しているのでしょうか。
今回はコインパーキング会社の利益率はどれくらいなのか。コインパーキング会社の売上と賃料の内訳について、解説致します。
コインパーキング業者のおおよその利益率
コインパーキング業者のおおよその利益率は、業者の方針によって多少の違いはありますが、目安としては売上の20%前後となる会社が多いようです。
1台の駐車スペースが、1カ月に10万円の売り上げを見込めるとして、コインパーキング業者には2万円ほどの利益がでる計算です。またこれとは別に、看板、舗装、精算機の設置などの初期コストの回収、また清掃や集金業務、問い合わせ対応などの管理費用として1万円も差し引かれます。
残った7万円が、賃料として土地オーナーさんにお渡しするものになります。
但し、冒頭にご説明した通り、土地オーナーさんに渡される賃料はあくまで契約当初に定められた賃料で、売上がいかに増減しても、変わらない一定額となります。そのため、コインパーキング会社は最大料金の設定を見直したり、時間帯ごとにより売上があがる施策を考えたうえで、駐車場運営を行っています。
土地の賃料から逆算する「時間貸し駐車場の売上見込み額」
上記の利益率を念頭におけば、その土地をコインパーキング駐車場にした場合、いくらぐらいの賃料が出るかの、おおよその想定も可能です。
具体的な数値で目算を立てたい方は、過去の記事にて、周囲の駐車場料金から賃料見込み額を算出する方法を解説していますので、ぜひこちらも参考してください。
必見の駐車場経営ノウハウ。収入に直結する「賃料見込み額」の算出法
詳細は省き、上記の記事内容を要約すると、一般的にコインパーキング駐車場の売上見込みは1台あたりの駐車スペースにつき、看板に記載された「最大料金」の1.5倍程度となります。
ここから逆算し、想定の売上に対して、受け取る賃料が少な過ぎる場合は、コインパーキング業者に対して賃料の交渉ができるかもしれません。
ただし、売上の見込みは、土地の大きさや周辺の立地によって、大きく変わるため、計算式通りにいかないケースもいくつかあります。
駐車場の売上の見込みが変動しやすい、注意パターン
例えば、駐車可能台数が5台の駐車場と、50台の駐車場では、精算機などの設備にかかる初期費用は同じでも、売上規模は大きく変わります。
そのため、大型の駐車場であれば、賃料自体も高めに出せますし、狭い土地の駐車場では、一台ごとの稼働が大きく賃料を左右します。一概に、計算通りの賃料という訳にはいかないのです。
また道路付けの状況により、極端に探しづらい・また入場しづらい土地の場合、周囲の立地が駅前や繁華街であっても、相場より低い賃料となる可能性があります。例えば、一方通行の道にあって止めづらかったり、狭い道を通り抜けないと入場できない場合は、周りの駐車所料金相場が高くても、その駐車場だけは賃料が低くなる可能性があります。
コインパーキング業者に利益を落としてでも委託すべき!
このような記事を読むと、コインパーキング会社に任せずに、自分でコインパーキングを開設したい、と考える方もいるかもしれません。
しかし、こちらも以前の記事に書いた通り、コインパーキング駐車場は、個人で運営することで、同じような売上が見込めて、利益率が高くなる訳でもありません。
過去記事【駐車場のプロは語る】コインパーキングを「経営」してはいけない!?
駐車場の利用客からの問い合わせに24時間365日の対応をしたり、設備の破損・メンテナンス、近隣住宅への配慮、違法駐車への対策も必要になるなど・・・運営の手間は非常にかかります。
当サイトで何度も解説・否定している「駐車場経営は、ただ土地さえあれば楽に儲けられる」というイメージで始めると、思わぬ運営業務の多さに驚くこともあるかもしれません。
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