駐車場のレイアウト、基本寸法駐車場の広さは土地によってさまざまですが、車を停めるスペースの寸法はおおよそ決まっています。
 
土地に何台の車を停められるのか検討をつけることができれば、収益の見通しを立てやすくなりますよね。
 
また、駐車場では、車を停めるスペースの他に、切り替えしや移動のための通路も必要となります。
今回は、駐車場の基本となる寸法と、ベストな駐車場のサイズをご紹介致します。
 

■「車室」の基本寸法

駐車場における「車室」とは、車を停めるスペースのことを指します。
車室の幅は、2.4mから2.5m以上が望ましいとされており、2.6m以上では広めの幅となります。
コインパーキング駐車場経営では、広過ぎる車室の幅の場合、パークロック(フラップ板)のない位置に駐車されてしまう可能性がでてしまいます。パークロックの大きさに合わせるよう、注意しましょう。
 
また奥行きは5m以上が適切ですが、これも取り過ぎると、中途半端な位置で停める不正駐車を招きかねません。下記の「車路幅」とも併せて、余裕を取り過ぎないよう注意しましょう。
 
また大型駐車場などで必須とされる「身障者用の駐車スペース」は、これ以上の規定幅が必要です。この規定は法律で定められています。もし大型駐車場を作る場合は、関連法令もしっかり確認しましょう。
 

・「車路幅」の広さ

車が通行したり、車室にいれるために使用するスペースを「車路」といい、車路の幅は3.5m以上が望ましいとされています。
また車室が向かい合わせになっており、車路が中央の通路となっている場合は、5m以上のスペースをとるようにしましょう。
 
この車路が5m以下になってしまうと、駐車をする際の切り替えしが困難になります。接触事故の多発を招く要因になったり、月極駐車場の場合、毎回同じ位置への駐車場が面倒だと感じる要因にもなります。
結果、駐車台数が増えても、利用者の稼働を下げる事もあるでしょう。敷地いっぱいに車室を詰め込んで、車路幅が狭くなってしまうと、停めづらい印象を与えてしまうのです。
 
車路幅は広すぎず、狭すぎない適切な幅に設定しましょう。
 
万が一、駐車場経営をしていて、壁などを壊された場合は、こちらの過去記事も参考にしてください。
【トラブル相談】駐車場の「隣の壁」が壊されたときの対処
 

・駐車の出入口について

駐車場の出入口の幅は3.6mほどが理想です。
この出入り口も、広すぎてしまうとデッドスペースが生まれ、不正駐車を招く恐れがでてしまいます。
 
また3.6mは、道路の縁石でいうと、おおよそ6個分の広さです(縁石ひとつで60cmほどになります。)入口の縁石を切り下げする際は、申請が必要となります。

「縁石」の切り下げについて

入口の縁石の切り下げが必要な場合、工事業者に頼み、地方自治体の道路課へ幅を申請する必要があります。
このとき幅が広すぎると、許可が下りないことがあります。出入り口が広いと車の往来が増え、歩道の安全が確保しにくくなるためです。
 
申請が通るまではだいたい2週間ほどかかります。余裕を見て、駐車場経営を開始する3週間前には手続きをするようにしましょう。
 

■ズバリ、これが最適な駐車場の基本寸法

車室の幅が2.4mで奥行が5m、車室の前面車路は5m。その他、出入り口などの車路幅は3.5m。
これが、駐車場の運営相談にのってきた私たちがベストと考える寸法です。利用者も使いやすく、デッドスペースもできにくいでしょう。
 
ただし、ここからさらに不正駐車をさせないレイアウト、より駐車場しやすいという印象を与えるレイアウトなど、駐車場の運営にも有効な形状にする事も可能です。


土地を有効的に使える駐車場のレイアウトを決めるには、それぞれの土地の形状に合わせた駐車場運営の経験・ノウハウが必要です。駐車場の経営や運営についてお困りのことがあれば、ぜひ我々にご相談ください。

 
駐車場の基礎知識、トラブル相談、駐車場経営の始め方などの過去記事はこちら。
 
【駐車場経営の基本】月極駐車場をはじめる5つのステップ

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