コインパーキング会社との契約にいて、設置工事費などの見積もりが提出され、契約期間と賃料等の条件交渉を終えれば、最後に契約書を作成することになります。
その時、コインパーキング会社は、必ず会社で作成した契約書のひな型を提出してくることでしょう。
「いつもこれでやっています」と言われてしまうと、「これ以外はダメなのか」と考え、そのまま捺印をしてしまいがちです。しかし、そんなことは決してありません。
今回は、契約書を確認した段階ですべき交渉、契約書が変更できるポイントについて解説致します。
目次
契約書が届いたら、必ず確認&交渉をしましょう
コインパーキング会社が提出する契約書のひな型は、開設までの条件がまとまった後に作成されたものであるため、土地オーナーの要望も記載されていると思いがちです。
しかし、それはあくまでコインパーキング会社が定型作成したひな型であり、土地オーナーへの配慮はあまり考えられていないことがほとんどです。そのまま内容も見ずに契約すると、トラブルの引き金にもなりかねません。
契約書の内容を変更することは可能です!トラブルを避けるためにも、契約書交渉は必ずするようにしましょう。
契約書変更のポイント
それでは実際にコインパーキング契約書を確認した後に注目すべきポイントをご紹介いたします。どれも駐車場経営に非常に重要な項目ですので、念入りに確認しましょう。
■契約書交渉のポイント1.契約期間中の賃料交渉について
以前も、契約期間の途中で賃料を変えたいとコインパーキング会社が求めてくるケースがよくあると、こちらの記事にてご説明しましたが、契約書の段階でコインパーキング会社と交渉しておくことはとても有効です。
可能であれば、賃料や契約期間の項目に、以下のような文言を付加してもらいましょう。
・契約開始から1年は、賃料の変更交渉は不可とする
これは実際に、私たちがコインパーキング会社と交渉して、契約書へ追加できた文言です。(期間は交渉や条件に応じて変更)
交渉次第になりますが、こうした取り決めをしておくことは後々のトラブルを防ぐことにつながります。
■この項目に関連した実際のトラブル例はこちら
よくあるご相談!契約途中の賃料引き下げ
■契約書交渉のポイント2.解約予告期間の短縮
私たちの経験上、契約書では、コインパーキング会社への解約通知をするのは3ヶ月前から、と解約予告期間を定めているケースがほとんどです。
ですが、次の土地活用をしたくなった場合、3ヶ月では長すぎてしまいます。土地の売買でも、建物の施工開始でも、少しでもロス期間を作らないために、解約予告期間が短くできないか交渉しましょう。実際の経験では、1ヶ月に出来たケースもありました。
解約予告期間を短くしたいと交渉することは、次の土地運用のための備えとなるのです。
■契約書交渉のポイント3.違約金の金額と条件
土地の一括借上げ(サブリース)を契約期間の途中で止めて、コインパーキング契約を解約することになった場合、違約金を払うことになります。このとき、他社への乗り換えを行う場合でも違約金が発生します。
駐車場の立地が良い場合、より高い賃料・より良い条件での乗り換えを他社が提示してくることもしばしばです。そのため、違約金の金額交渉は重要なポイントとなります。
仮に他のコインパーキング会社が高い賃料を出してきても、契約中の企業との違約金が高額であれば、せっかくの提案が利回りベースではマイナスになってしまう事もあるのです。
■契約書交渉のポイント4.土地の使用用途
コインパーキング会社の転貸について、以前のこちらの記事でご説明した通りですが、土地の用途などの記載は、契約書でしっかり確認するようにしましょう。
単に「土地を借りる」という書き方では、上記の記事のように、移動販売車・モデルルームなど、コインパーキング以外の活用をされても何も言うことが出来ません。
いくつか土地を持っている場合は、競合になるような業態を除外したり、はっきりと『時間貸し駐車場として使用する』というような文言を追加してもらいましょう。
■契約書交渉のポイント5.賃料の滞納について
賃料の滞納についての記載が契約書に記されておらず、滞納をされてしまった、というトラブルは、私たちの相談で実際にあったケースです。コインパーキング会社が賃料の滞納をした場合について、契約書にどのような記載があるのか、しっかりと確認をするようにしましょう。
大手企業の場合であれば、滞納があったということはほとんど聞きませんが、中小のコインパーキング業者であれば支払いの締め日・支払日が休日だった時の対応など、支払条件に関してもよく聞いておくと良いでしょう。
上記以外にも、コインパーキング会社が駐車場の管理をきちんと行うかどうかなど、契約書の確認は、駐車場経営においてとても重要なことです。
ここをおろそかにすることは、後の大きなトラブルに繋がりかねません。
契約書についての交渉は、信用にかかわるので・・・と敬遠することなく、しっかり行うようにしましょう。
またコインパーキング会社側にも一定のルールがあるものの、営業マンの裁量によって多少の変動があります。当サイトでは、コインパーキング会社との交渉の代理、契約書の確認のご相談も承っております。もしコインパーキング運営や駐車場の経営についてお困りのことがあれば、ぜひ我々にご相談ください。