数々の駐車場開発に関わり、コインパーキング開設に携わってきた駐車場のプロが語る「駐車場経営入門」。今回は『コインパーキング駐車場経営は自営より業者委託のほうが儲かる4つの理由』です。

 

世の中のコインパーキングのほとんどは、コインパーキング専門業者と契約して運営されています。ですが、業者に委託契約するより、直接運営したほうが売上が抜かれず儲かるイメージもありますよね。それでも専門業者と委託契約したコインパーキングのほうが圧倒的に多い理由は何故でしょう。多数の駐車場開発に携わってきた駐車場経営のプロがその理由をお教えします。

 

1.コインパーキング専用設備費&設置費用がかからない

まず個人でコインパーキングを始める場合、専用の設備を買い揃える必要があります。コインパーキング用機械のメーカーでは、看板や機械本体、またその設置費用も含めた、見積もりを取得することが出来ます。

しかし個人での購入の場合、どうしても少数単位での注文となりますので、一つ一つの機械の仕入れ値は高くなります。また機械が壊れた場合や、古くなった場合に買い替えが発生し、置き場所も考えなくてはいけません。

コインパーキング専門業者に委託契約した場合、土地のサブリース(一括借り上げ)契約となりますので、機械本体とその設置費用はかかりません。ただ土地を貸すのみなのです。
※アスファルト舗装を負担する場合あり

 

2.機器の故障、利用者のトラブル対応の手間がかからない

コインパーキングを運営していて時々発生するのが利用者からの問い合わせです。同じ駐車場経営でも、月極駐車場と違い、不特定多数の利用者がいるため、問い合わせの頻度もより多くなります。

個人でコインパーキングを運営する場合、その管理を委託することができる管理会社もあります。しかし対応時間や問い合わせの回数によって管理会社の費用が変動する事が多く、その対応内容によって、見積費用は当然高くなります。

コインパーキング業者に委託契約した場合、対応の回数を問わず、固定賃料が得られますので、こうしたトラブルや問い合わせ対応の窓口を全て任せられるのは大きなメリットです。特に夜間や利用者の多い時期など、個人ではカバーしきれない対応も任せられるので安心ですね。

コインパーキング駐車場の管理業務については、こちらの記事に詳しく記載されているので参考にしてください。
参考記事:コインパーキング会社のコインパーキング運営業務とは?

 

3.稼働率に左右されない固定賃料なので、資産計画が立てやすい

個人でコインパーキング駐車場を運営する場合、売上は当然ながら稼働率次第となります。要因として大きいのは、季節によって変動もさることながら、周囲の立地/状況の変化です。運営開始した頃は稼働が良かったものの、周囲の建物や状況が変わって、大きく売り上げが変わってしまう、というのはよくある話です。

コインパーキング業者と契約している場合、売上は稼働率に左右されず、契約時に提示された固定賃料となりますので、資産計画が立てやすくなります。

もちろん周囲の地価や状況が変わり、賃下げ交渉があるケースもありますが、その場合は、他のコインパーキング業者の見積も取得して、有利に交渉を進めましょう。詳しくはこちらもご覧ください。
過去記事:【トラブル相談】契約途中での賃料引き下げ交渉って・・

 

4.意外と!?トータルで考えると大きく抜かれていない駐車場売上

ここからは、あくまで駐車場経営に関わってきた私たちの見解となりますが、コインパーキングを自分で運営した場合と、コインパーキング業者に委託契約した場合とで、大きく売り上げが変わるケースは少ないように思えます。

サブリースだから売上を大きく抜かれているイメージもありますが、他のコインパーキング業者との競争もあり、それほど大幅は利益を抜いているケースは少ないでしょう。

コインパーキング業者も周囲の状況から集客をしたり、駐車料金の適正化をしていますので、上記のような初期コスト、運営コスト、固定賃料などを考えると、個人でコイパーキング駐車場の経営を行うよりも多くのメリット・売上が得られるケースも多々あります。


それでも特別な事情があったり、駐車場経営ノウハウの蓄積のため、どうしても個人でコインパーキング駐車場を運営したいという方もいらっしゃいます。
個人で駐車場経営をしたいという場合でも、出来る限りのアドバイスを致しますので、どうぞ駐車場のプロである我々にご相談ください。