賃料と駐車台数の関係

土地活用の一つして「駐車場」を作る場合、大きく分けて月極駐車場とコインパーキング駐車場にする場合があります。

そしてコインパーキングにする場合、コインパーキング業者と契約をして、対象の土地を一括借り上げ(サブリース)するケースがほとんどです。

そこで、業者側が土地に対しての賃料の見積りをすることになりますが、その土地に何台の車が停められるかという「駐車台数」と「賃料」には密接な関係が生まれます。

単純に広い駐車場に多くの車を停められることだけがメリットとは限らない、賃料と駐車台数の関係についてご説明いたします。

 

2台の駐車場でも、20台の駐車場でも、精算機は1つ

土地をコインパーキング駐車場にする場合、コインパーキング業者にとっての初期コストは、
コインパーキング専用設備の機器代となります。その中でも一番金額が高いものが「精算機」です。

そして、実はこの精算機の値段、大きい駐車場と小さい駐車場、
どちらの場合でもあまり投資コストが変わらないのです。

つまりコインパーキング業者にとってみると、駐車場の広さに関わらず、
どんなコインパーキングでも一定の初期コストがかかる事になります。

減価償却という観点から考えると、当然ながら台数が多い方が、
より高い賃料見積もりが期待できそうな気がしますよね。

ところが・・・単純にそういう話でもなく・・・

コインパーキング業者ごとの得意・不得意

実はこのコインパーキング設備自体にも種類があり、価格差があります。

一般的に、有名な大手コインパーキング会社ほど、
よりグレードの高い、高価な駐車場機器を使う傾向にある
ので、
初期コストはより高くなりがちです。

つまり大手コインパーキング業者は、駐車台数が多いような広い駐車場でないと、
機器の投資コストを回収できない可能性がある
のです。

逆を言うと、中小のコインパーキング業者は比較的安価な駐車場機器を使うため、
より小さい駐車場タイプに適している
と言えます。

こうした中小のコインパーキング業者では、
大手では売上が見合わないと判断した駐車場台数の少ない土地でも、
初期コストを抑えることで、利益を上げられる
ようにしているのです。

 

駐車可能台数と、稼働率の関係

さらにコインパーキング駐車場の売上に大きく影響を与えるのは「稼働率」です。

その土地の駐車の需要がどれだけ高いか、どれだけ駐車場が稼働できるかは、
前述の駐車場の広さに関わらず、大きなポイント
となります。

駐車の需要が多い土地には、それだけ稼働が期待できるので、当然、
市街地や駅周辺の駐車需要が高い土地のほうが、コインパーキング業者の賃料査定も高くなります。

逆を言うと、いくら広い土地だとしても、需要を超えた駐車台数の土地では、
見積もりの賃料が低い、もしくは、コインパーキング契約自体がなされないケースもあるのです。

 

最適な駐車台数、最適な賃料

皆さんも、都心部などで2~3台しか停められないような、
とても小さなコインパーキング駐車場を見た事はありませんか?

どうしてこんな狭い土地で、と思われる方も多いかもしれませんが、
これは上記で説明しました「稼働率」と「駐車台数」さらに「初期コスト」を計算した上で、
それでもコインパーキング業者が利益が見込めると見込んだ場所なのです。

逆に、広めの駐車場であれば、初期コストが多少かかっても、
集客力、販促力のある大手コインパーキング業者のほうが、
より高い稼働率が見込め
て、見積もり賃料が期待できます。

つまり一番土地の借り上げ賃料が高くなるのは、ただ広い土地という訳ではなく、
そのエリア(周辺状況)に適した駐車台数の土地、という事になります。

ただし、コインパーキング業者によって、初期コストの違いや、
エリアの駐車需要の見込み違い、また近隣にある自分達のコインパーキングとの関連や、
集客などの戦略的な事情で、同じ見積もりが出るとは限りません。

やはり、コインパーキング業者それぞれに賃料の見積もりに差が出てくるため、
複数の業者から、見積を取得することはより高い賃料見積もりを得るための近道と言えるでしょう。

同じエリア、同じ面積の駐車場でも、見積もり賃料に、
大きな開きのある可能性が、充分にあるのです。