駐車場の稼働率が悪い時に見直すべきところ「立地は悪くないはずなのに・・・」「曜日によってばらつきがでる・・・」
時間貸し駐車場、コインパーキングの経営をはじめたものの、思ったように利用者が増えず、困っている土地オーナーさんは多いものです。
 
自営ならば収入に直結しますし、運営をコインパーキング業者に任せている場合でも、賃下げ交渉をされるリスクが増えてしまいます。いずれにしても駐車場経営において、駐車場の稼働率が高いに越したことはありません。
 
今回は思った様に駐車場の稼働が上がらない場合に、駐車場のどこを見直すべき4つのポイントを解説致します。
 

見直しをするポイントは4つ

我々の駐車場運営に携わってきた経験から、まず見直したいポイントは以下の4つです。同時に、これらの点は駐車場の経営をはじめる前にチェックする重要なポイントでもあります。
 

■ポイント1.駐車場のレイアウトを見直す

以前、こちらの記事でご紹介しましたが、駐車場には最低限これだけの寸法は確保しておきたい、という基準があります。
少しでも駐車場可能台数を増やすために、無理やり車室を詰め込んだレイアウトになっていると、利用者は『狭くて駐車しづらい』という印象を抱き、稼働率が悪くなる場合があります。
運転に慣れていない初心者でも、他の車に接触する心配なく、安心して駐車できるレイアウトが理想的です。
 
また、前面道路や車路幅の広さは、駐車場への入りやすさ、入りにくさに影響を与えます。
まずパーキンング自体に入りやすい入口になっていること、また入場した後で、車路の幅が5m以上なければ、車の切り返しが困難となり、利用者が敬遠をしていまいます。
 
駐車場台数を増やすために対面で2列の車室をつくれたとしても、共通で利用する車路幅が5m以下となってしまうのならば、片側の列の車室の向きを横などに変えて1つに絞ったほうが、切り返しが楽なレイアウトの駐車場となり、結果的に稼働が向上するケースがあります。
土地の広い狭いに関係なく、前面道路、車路幅は、しっかりとスペースを確保するようにしましょう。
 

■ポイント2.看板の位置を見直す

駐車場の稼働率が悪い時に見直すべきところ コインパーキングなどの時間貸し駐車場を探している人は、車を走らせながら場所を探しているケースが多く、看板の位置は非常に重要です。
看板は道路から見えやすく、遠くからでも分かる位置に配置しましょう。
 
高さが足りているか、新設された建物に看板が隠れたりしていないか、遠くから見える位置にあるか、など、「P」がいかに目立つかを意識してチェックするようにしましょう。
 
また空室・満室の状態、料金の見やすさなど、利用するドライバーが気にする点は多いものです。特に近隣に競合の駐車場がある場合は、運転しながらでもハッキリ分かる看板のほうが、迷わずに入場しやすくなるでしょう。
 

■ポイント3.駐車場台数が適正かどうかを見直す

これは駐車場経営を開始する前にも確認すべき重要なポイントです。
周囲の状況や、競合の駐車場の稼働状況を見た上で、『需要のないところに大きすぎる駐車場を作っていないか』、『駐車場を作りすぎていないか』を見直しましょう。
 
駐車場の稼働率が常に8割以下であれば、見直しをする必要があります。
様々な条件に左右されるため、一概にはいえませんが料金が地域の最安値であっても、稼働率が常に8割程度しかないのであれば、そこは供給過多の可能性があります。
その場合、一部を月極駐車場に変更するのも一つの手です。時間貸し駐車場よりも収益性は低くなりますが、決まったスペースに確実な固定客からの賃料を得る事ができます。
 
時間貸し・コインパーキング駐車場の利用者と月極駐車場の利用者は、同じ「駐車場を使う人」ですが、全く違う客層です。月極にするかコインパーキングにするか、このタイプの違いで、駐車場経営の利回りも全く異なってくるのです。
 

■ポイント4.料金体系を見直す

料金の見直しは収入に直結するため、慎重に行う必要があります。
詳しくはまた別の記事で解説致しますが、「稼働率」という点で最も重要なのは上限料金の設定の仕方です。
まず、そもそも駐車場の料金に上限がない場合、利用者は安心感をなくして敬遠し、稼働率は上がりません。料金には必ず、上限を設けるようにしましょう。
 
また最大料金が周囲より高い場合、当然ながら利用者はより安い駐車場へと流れます。
本来は良くないことですが、昼間は近所の大型の商業施設や公共施設の駐車場に、タダ同然で停めるドライバーも少なからずいます。そうした施設が閉まった後の夜の時間帯は、より上限料金の安い駐車場を利用者は探すものです。
看板の書き換えも必要なので、コロコロと上限料金を変えるわけにはいきませんが、常に周囲の稼働状況と上限料金には気を配りましょう。
 

「稼働率が悪い」には必ず理由がある

駐車場経営にはおさえるべき幾つかのポイントがあります。そして稼働率が悪い場合は、必ずどこかで問題が生じているものです。
例えば、我々が運営を見た中では、料金体系を見直した結果、売上額が倍になった駐車場もありました。
そもそも駐車されなければ、売上は一銭もないのが駐車場ビジネスです。料金の安さを優先させてでも、より回転する、より稼働する運営体系にした方が、結果的に売上が高くなることが多いはずです。
 
料金やレイアウト、適正な駐車台数の判断をするには、駐車場の経営のノウハウが必要となります。
もし駐車場の経営についてお困りのことがあれば、ぜひ我々にご相談ください。